スポーツの世界で成功を収めるうえで、不可欠なのは「心技体」といわれますよね。とても有名な言葉です、皆さんは普段オーリーの練習(技)は毎日のようにやっているけど思うように上達しないってありますよね。特にスケボーを始めたての頃はよくあるんじゃないかなと思います。
そこで今回は、その状況を打破するためにトップアスリートも活用する「心」のトレーニング術を紹介したいと思います。
トップアスリートも活用する「心」のトレーニング術
アスリートでも練習を重ねて「技」と「体」を磨いていく一方、「心」のトレーニングはおろそかにされがちだったりします。
「心」を意図的に磨こうとする時間は、「技」や「体」を鍛えるより圧倒的に少ない。
しかし、「心」を意識的に磨くことは「フィジカルを鍛えるのと同様に大事」です。
ちなみにメンタルが重要なのはアスリートに限った話ではない。学生やビジネスパーソンにとっても商談、プレゼン、受験という重要な勝負の場はもちろん、普段のモチベーションコントロールでも必要になります。
オリンピックやワールドカップという大舞台で戦うアスリートがおこなうメンタルコントロール方法は、スケボーにも応用可能です。
「重要なのは、未来へのイメージを持つことです。未来へのイメージがないと、過去、現在、経験だけで意思決定しがちなので、同じ状況や高さに負け続けることになります」
脳が体の動きに与える影響
未来のイメージがいかに体の動きに影響を及ぼすかについて以下を試してもらいたい。
まず、立った状態で足を肩幅に開き、腕を前に伸ばして人差し指で前方を指し、体を気持ちのいい程度に時計の3時方向へ回転させてほしい。ポイントは、無理をせず、気持ちのいい程度を超えないことだ。
次に、架空の「指回し選手権」に出場しているとイメージして同じように回転する。成績を伸ばしたいと、強く願いながら行うのがポイントだ。
その際、心がけたい点が3つある。
(1) 知覚的想像
先ほどより20センチ多く回転することができたら、そこには何が見えるだろうか。事前にその場所を見て、何があるかを把握しておく。単に指を動かそうと考えるより、具体的な目標物を見ておくことで、脳の回路が働き出すからだ。
(2)音をつけて想像
先ほどより20センチ多く回転することができたら、会場からどんな音や声が聞こえるだろうか。「すごい」という自分の独り言か。あるいは、観客の歓声がイメージされるかもしれない。音をつけることで、イメージがリアルなものになっていく。
(3)体の感覚を想像
先ほどより20センチ多く回転することができたら、体にはどんな感覚があるだろうか。「痛い」などマイナスのイメージではなく、柔軟性や気持ちいいなど、プラスの感情を持つことがポイントだ。
実際に記録が伸び、「おおっ」と声を上げてしまいませんでしたか?
「意思や努力だけでなく、脳の構造に基づいたイメージを浮かべると、成績が伸びることがあります」
目標を達成するための方法
最後に、目標を達成するための方法だ。
まず、人は目標を持たないと、モチベーションが上がらないことが前提にある。一方、遠すぎる目標の場合、やる気を持続させるのが難しい。
そこで大きな目標を達成するためには、いま自分はどの地点にいるかを把握し、一つずつ目の前の目標を設定して乗り越えていくことがポイントになる。
実際には、2人1組で行うのが効果的だ。実践した感想からいうと、他者の前で目標を口にすると、行動への責任感が生まれるからだ。
一方、聞く側のポイントは、ダメ出しをするのではなく、できていることを聞きながら「OK」を出していく。他者に肯定されると、目標に近づこうというやる気が湧いてくる。
ここではコーチングする側が出す質問と、効果をわかりやすくするために筆者の実例を紹介する。
コーチングの相手から繰り返されたのが、「1日1歩でも前に進みましょう」という点だ。1日1歩なら、誰にでも実行できる。
もともと、本を出すことはポジティブな目標だった。それが日々の業務に忙殺され、企画書づくりを後回しするうちに、いつしかネガティブなイメージになっていた。
ところが他者に話しながら数値化し、「1日1歩」と考えたことで、目標がポジティブなものであることを改めて認識できた。
そこで翌日から企画書をつくり、1週間で営業開始。いい編集者との出会いもあり、現在、会議にかけてもらっている段階だ。
毎日少しだけでも上達する
「昨日の自分より、少しだけでも上達するという気持ちで毎日やってほしい」
NHKの番組「奇跡のレッスン」で千葉ロッテマリーンズのボビー・バレンタイン元監督が、なかなか試合に勝てない小学5、6年生にかけていた言葉だ。
少しだけでも上達するという気持ちは、アスリートだけでなく、一般人にも重要だ。
「少しだけでも」という気持ちがハードルを下げ、なおかつ少しだけでも前に進み続けていると、気づけば大きな歩みになっている。
このように簡単な意識づけ次第で、メンタルはコントロールできるようになるものだ。
そう考えると、「心」のトレーニングはアスリートだけでなく、一般人にとっても非常に効果的である。